Yusuke SAKAI – 道木研究室

Yusuke SAKAI


研究テーマ / Research topic

布状アクチュエータを用いた触感覚想起の研究

Japanese ver. English ver.

 

新たなソフトアクチュエータである布状アクチュエータを用いて、装着者に様々な触感覚を想起させるためのアクチュエータの構成や制御方法について研究を行っています。

 

研究背景

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現在、VRやARといった視覚情報提示デバイスの発達に伴い、触覚情報提示インターフェースの研究・開発が盛んとなっている。触覚情報提示インターフェースは、VRゲームをはじめとしたエンターテインメント分野や、産業分野における遠隔での機械操作時の触覚フィードバックなど、多岐にわたる分野での応用が期待されている。
しかし、現在開発されている触覚情報提示インターフェースの多くは硬いフレームを有しており、自然な装着感を阻害し、リアリティのある触覚情報の提示を妨げる可能性が考えられる。
そこで、フレームを必要としないソフトアクチュエータが触覚情報や感覚情報を提供するインターフェースの素材として注目されている。
しかし、ソフトアクチュエータを用いた触覚想起デバイスであっても、現状押し当てや振動刺激による触覚想起に留まっており、想起可能な触覚が限定的となっている。

 

ソフトアクチュエータとは

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ソフトアクチュエータとは、軽量かつ柔軟な素材が変形することによって機能するアクチュエータであり、人体に直接装着するデバイスへの利用に適している。
ソフトアクチュエータの一例として、下のような「McKibben型人工筋」が挙げられる。McKibben型人工筋は、空気圧を印加することで収縮する性質を持つソフトアクチュエータである。

 

布状アクチュエータとは

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布状アクチュエータとは、平ゴムを編んで作製された布の両面に、空気圧を印加すると収縮するMcKibben型人工筋を複数配置することで作製された新しいソフトアクチュエータである[1]。
既存のソフトアクチュエータの多くは1自由度の動作であるが、布状アクチュエータは、配置されたMcKibben型人工筋の伸縮状態を制御することで、下の動画のような多様な変形が実現できる。

 

研究内容

先行研究では、布状アクチュエータの触感覚想起への利用可能性は未検討であるため、

  • 布状アクチュエータで想起可能な触感覚の種類
  • 布状アクチュエータの人工筋配置や印加空気圧パターンと想起触感覚の関連性

を調査することで、布状アクチュエータによる触感覚想起のメカニズムの解明を目指す。

布状アクチュエータによって想起可能な触感覚の調査

体表面に装着した布状アクチュエータに様々な空気圧パターンを印加することで、想起可能な触感覚を調査する。

布状アクチュエータによる触感覚想起メカニズムの解明

触感覚が想起された際の布状アクチュエータの布変形や体表面への力刺激の分布を計測することで、布状アクチュエータと触感覚の関連性を調査し、布状アクチュエータによる触感覚想起のメカニズムを解明する。

 

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[1]Y. Funabora. Flexible fabric actuator realizing 3d movements like human body surface for wearable devices. IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS), pp. 6992–6997, 2018.