Rongjiao HAO – 道木研究室

Rongjiao HAO

名前:
郝 蓉佼
学年/肩書:
博士課程前期課程1年
役職:
新人
グループ:
モータ
趣味:
研究,翻訳,ゲーム

研究テーマ / Research topic

拡張誘起電圧における位置センサレス制御を用いた永久磁石同期モータフリーラン状態からの再起動法

English ver. Japanese ver.

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私は、拡張誘起電圧における位置センサレス制御について研究しています。現在は、永久磁石同期モータフリーラン状態からの再起動法についての研究を行っています。

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永久磁石同期モータ(PMSM)とは?

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永久磁石同期モータ(PMSM: Permanent Magnet Synchronous Motor)は、交流電圧によって駆動される交流モータで、家電・電気自動車などで幅広く応用され、高効率・高精度・高出力密度・低騒音などの特徴を持つことが知られております。

 

位置センサレス制御とは?

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PMSMを制御するためには、回転子の内部にある磁石の磁極位置情報が必要となります。通常は、磁極位置情報を取得するためにはモータ軸上に位置センサを取り付ける必要があります。しかし、位置センサを利用すると、コストの増加や、設置スペース、配線の断線リスク等の問題点が生じてしまいます。特に高温(60℃ 以上)、低温(-40℃ 以下)そして防爆地域の場合、使用可能な高精度な検出装置は限られ、非常に高価なものとなります。また、インバータが設置してある電気室と電動機を設置する場所とが離れている場合、位置検出信号用としては、耐雑音性を向上させるための低レベル信号線としての配線工事が必要であり、コストアップの要因となります。

図1. PMSM概略図

PMSMと位置センサ

図2. PMSMと位置センサ

位置センサ設置の問題点を解決するため、位置センサレス制御が提案されています。位置センサレス制御では、位置センサの代わりに、印加電圧・測定電流と数式モデルから位置情報を計算することで位置センサが不要になります。

図3.位置センサレス制御

 

位置センサレス制御を用いたフリーラン状態からの再起動とは?

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ファン・タービンなどのアプリケーションでは、外乱トルク等によりモータが回転した状態(即ちフリーラン状態)から、バッテリー・インバータ・コントローラの再起動が必要な場合があります。

図4.フリーラン状態からの再起動

しかし、位置センサレス制御を用いて、フリーラン状態のモータを再起動する時は、以下の二つの問題が発生します。

1. 零速度と仮定し再起動の時

中高速域においては、PMSMでは速度起因の誘起電圧が大きく励起され、低電圧状態のインバータ側に過電が流れ込む問題が発生します。

図5.中高速域において発生する過電流

2. それを回避するために、モータ停止まで待ってから制御器を再起動する場合

慣性が大きいモータだと停止するまで時間がかかります。

 

現在の取り組み

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位置センサレス制御の先行研究では、『拡張誘起電圧(EEMF)ベクトル制御法』を提案しました。停止からの始動を含めた全速度域において単一な推定器でセンサレス制御を実現できます。しかし、EEMFによる従来センサレス制御では、停止低速からの起動は検討済みですが、フリーラン状態からの起動は未検討でした。

そこで私は、手法の汎用性の観点から、EEMF手法の適用範囲の拡大を目指して研究し、全速度域(停止とフリーラン状態を含む)における再起動を検討しています。

これまで、EEMFによるPMSM回転中の再起動法を提案しました。現在の取り組みとしては、様々な速度域及び初期位置から再起動する場合、その性能と有効性を評価していきます。また、中高速域において流れる過電流は、実験環境によって過渡状態が変化するため、再起動手法が適用可能な条件について検討を行っています。

 

EEMFに関する関連研究

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・二村 拓未, 道木 慎二: "信号重畳と速度により励起される拡張誘起電圧を利用した永久磁石同期モータの全速度域位置センサレス制御", 電学論D, vol.140, No.8, pp.589-596

・近藤 翔太, 道木 慎二, 松本 純, 冨田 睦雄: "PMSM位置センサレス制御のための仮想誘起電圧に基づく制御用モデルに関する考察", 電学論D, vol.139, No.1, pp.1-12

・小櫻崇雅,道木慎二:”位置推定と極性判別を同時に行う永久磁石同期モータの始動時磁極位置推定法の性能向上'',令和3年電気学会全国大会,2021

・小櫻崇雅,道木慎二:“拡張誘起電圧を用いた永久磁石同期モータの位置センサレス制御におけるフリーラン状態からの
再起動の検討”, MD/RM/VT合同研究会,MD-21-086,RM-21-050,VT-21-011(2021)

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